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★★ Coffee Break ★★

おいしいコーヒーを飲みましょう その2
〜 ペーパードリップでおいしいコーヒーを淹れましょう 〜

今回はもっともポピュラーな、ペーパーフィルターのドリップでいれる方法について説明いたします。

ペーパードリップは簡単に、またお手軽にコーヒーをいれることができます。しかしたかがペーパードリップと侮ってはいけません。ペーパードリップは、いれ方によって技術の差が一番出るいれ方でもあるのです。

そこで、どのようにすればおいしくいれることが出来るのか、また道具のそろえ方などについて順を追ってご説明いたします。

そして自家焙煎珈琲舎ロッセホームページを見てくれた皆様に、本などでは教えてくれないプロが教えるコツをご紹介します。ここで紹介するテクニックは、知っているのと知らないのとでは大きく違いますよ。ぜひ試してみてください。



@ ドリッパーとサーバー、ポット、ペーパーフィルター、コーヒー豆を用意します。

ドリッパーは保温性とお手入れの手軽さ、丈夫さでプラスチックのものよりも陶器の方が良いでしょう。ドリッパーは2〜4人用、サーバーは500cc位のものが良いと思います。大は小を兼ねるということで、このサイズで揃えることをお勧めいたします。

ポットは、注ぎ口がなるべく細いものの方がお湯を注ぎやすく、注ぐ量の調節も容易です。(やかんでも出来なくはありませんが、少しのお湯を均一に注ぐにはある程度技術が必要です。)

ペーパーフィルターは出来れば1〜2人用のものと、3〜4人用のものとを用意して、人数によって使い分けるのが良いと思います。(2〜4人用のドリッパーに1〜2人用のペーパーを使っても良いのですから。)

コーヒー豆は、その1でもご説明しました通り、焙煎したての良い豆を用意します。

ペーパードリップの場合、豆の挽具合は中挽きから少し粗挽きくらいが良いでしょう。中挽きに比べて粗挽きのほうが少し軽く抽出されます。

絶対これでなければいけないという基準はありませんが、あまりに細かすぎるとペーパーフィルターに微粉が付着してしまいお湯が落ちにくくなってしまい、抽出時間が長くなってしまいます。そうなるとコーヒーの成分が必要以上に抽出されてしまいますので、いわゆるクドイコーヒーになってしまいます。逆に、あまりに粗すぎると、今度は早く落ちすぎてしまい香りは抽出されますが、味はあまり抽出されません。そのため薄くて味気ないコーヒーになってしまいます。


A ポットに水を入れ、火にかけて沸騰させます。

水の量は、人数分のお水以外に、カップやドリッパー、サーバー等をあたためる分の水、そしてさらに少し余分のお水が必要です(沸騰して蒸発してしまう分は微量ですが、コーヒーの粉も水分を含みますし、抽出途中でも人数分になったらドリッパーをはずしますので、そこにも余分な水が必要です。また、少し多目にお湯があった方が注ぎやすいということもあります)。

沸騰しましたら、ドリッパーにペーパーフィルターをセットして(糊代といいますか、貼り付けてある部分二ヶ所を折り曲げてからセットします)サーバーに乗せます。その後、少しのお湯をドリッパーに注ぎドリッパーとサーバーを温めます。また、コーヒーカップにもお湯を注いで温めておいてください。

ポットの方は火を沸騰が収まるくらいの弱火にしておきます。

サーバーに残ったお湯を捨てて、ドリッパーにコーヒーの粉を入れます。粉を入れたら軽く振って平らに均します。

粉の量もコーヒーの味を決める重要な要素の一つです。濃い目、薄目の好みは有りますが、おおむね以下の目安を参考に、自分で一番おいしいと思う量を決めて下さい。(杯数が増えるにつれ、少し量を減らしていくのがコツです

粉の量の目安

人数 10gメジャーカップ
1人 0.8〜1杯
2人 1.5〜1.8杯
3人 2.3〜2.6杯
4人 3.1〜3.4杯
5人 3.9〜4.2杯

☆ 特にロッセのコーヒー豆は、半直火半熱風の焙煎機で焙煎しているため火の通りが良く、少な目の粉でも十分においしいコーヒーがはいります。いつもお使いになっている粉の量より、少しだけ減らして入れてみてください。


B さあ、ここからが腕の見せ所です。少量のお湯で、粉全体を湿らせて、膨らませます。いわゆる”蒸らし”というものです。

ここで大事なことは、粉全体をお湯で湿らせ、膨らませるということです。サーバーにどんどんお湯が落ちてしまうようではいけませんが、1滴も落ちてはいけないということではありません。大事なのは、粉を膨らませてお湯をよく馴染ませてこれからの抽出に備えるということなのです。

乾物を戻すことと同じようにこのお湯の馴染ませ加減でドリップが決まります

具体的にはポットを振るようにして川の字を書くようにして注ぎます。こうすることで少しずつお湯を振りかけることが出来ます(特に、注ぎ口が大きいポットにはお勧めです)。

粉がこんもりと膨らみ、時間が経つに連れて(10〜20秒後)少しずつしぼんできます。

ロッセのコーヒー豆でお淹れになる場合は、この蒸らしをちょっとゆっくりと時間をとってください。それだけで粉は少なめでも十分コクと濃さのあるおいしいコーヒーが出来上がりますよ。


C しぼみきってしまう前にまたお湯を注ぐのですが(最初にお湯を注いでから20〜40秒前後)、この蒸らしの後のお湯の注し方いかんで出来上がりのコーヒーの濃さや味わいが大きく左右されるのです。

蒸らしのあと注したお湯から抽出されるコーヒーが一番濃いコーヒーなのです。次のお湯を注す時からはだんだんと前よりも薄く抽出されます。ということは、ここで十分な濃さで抽出できないとそれ以降どんなに丁寧にゆっくりとお湯を注いでも、それ以上のコーヒーのエッセンスは抽出されません。

そのため、蒸らしのあとの一注しは、なるべくゆっくりと丁寧に注いでください。そうすることでおいしいコーヒーの出来上がりの準備が整います。

また2回目にお湯を注ぐ時にはちょっとしたコツが有ります。

※ 1〜2人の場合は、粉の中心から外に向かって渦巻きを描くように少しづつお湯を注ぎます。(1人分の時には特に少しづつ注ぎます。つまりドボドボッと注がないようにします。)

※ 3〜5人の場合は、反対に外側から内側に向かって渦巻きを描くように少しづつお湯を注ぎます。


最初にお湯を注いで粉を膨らませた時に、コーヒーの粉の微分がフィルターに付着します。この微分を外側にお湯を注ぐことで洗い流すかどうかが、コーヒーをおいしくいれることが出来るかどうかの鍵となるのです。

1〜2人の場合は、全過程でなるべくお湯が落ちる時間がゆっくりになるようにコントロールしてコーヒーの成分が十分抽出されるようにします。そのためになるべく一番外周はお湯を注がないようにします。逆に3〜5人の場合は、ある程度スムースにお湯が落ちないと、コーヒーの成分が出過ぎてしまいます。そこで、膨らませた後に一回だけは一番外周にお湯を注いでフィルターに付着した微粉を洗い流してやることで、その後の抽出がスムースに行われるようになるのです。

D お湯が落ちきってしまう前に、再度中心からお湯を注ぎ、人数分のコーヒーが抽出されるまで繰り返します。

今回からはわりと大胆なくらいにお湯を注いでください。あまりゆっくりと丁寧な注し方は、余分な雑味を一緒に抽出してしまいます。

E コーヒーが人数分抽出されましたら、ドリッパーをはずします。

人数分のコーヒーが抽出されましたら、ドリッパーにまだお湯が残っていても構わずにサーバーからはずして下さい。またお湯が落ちきってしまいそうな時には少しお湯を足して、絞りきるようにはしないで下さい。

人数分でドリッパーをはずすことによって、いつも同じ濃さのコーヒーが抽出されます。

人数分の分量につきましては、予めカップに水を入れて実際にサーバーでの分量の目安をつけておくと、ぴったりの量が分かります。

出来れば、薄めで落とすよりは(人数分の分量よりも多め)、濃い目で落とすように(その分量よりも少し少な目)して下さい。濃いものは薄めることが出来ますが、薄いものは濃くすることは出来ません。

F カップを温めておいたお湯を捨て、コーヒーを注ぎます。これでおいしいコーヒーの出来上がりです。いれたてのコーヒーをお楽しみ下さい。





どうですか、おいしく出来ましたでしょうか?おいしくいれるコツは、ここで説明したことのほかにも有ります。それは、おいしくいれたいと思いながらいれることと、ある程度の経験です。何回もいれているうちに、だんだん上手になってきます。

また、あまり上手くいかなかったといって、失敗ということはありません。こだわることは悪いことではありませんが、ベストは1回しかありませんから(笑)、中の上位に(ベターくらいで)入れば、とてもおいしいコーヒーが味わえると思います。

コーヒー豆は、現地で作業に従事している人々が、手摘みで一粒一粒採取して、さらにコーヒーの実から豆を取り出し、いろいろな人の手を経て出荷されてくるのですから、とても貴重なものなのです。1杯1杯を大事に、そしておいしく飲みたいですね。

珈琲舎ロッセでは、皆様が本当においしいコーヒーに巡り合って、豊かなコーヒーライフを送っていただきたいと思っています。

最後に、どうしても熱いコーヒーが飲みたいという方のために。

人数分のコーヒーがおちてドリッパーをはずしたら、サーバーを布巾で拭きます(サーバーの周りに水滴がついたまま火にかけると割れてしまうことが有ります)。

そして、弱火〜中火にかけます。しばらくすると、ほのかに煙が出てきます。煙が渦を巻き始めたら火からはずして、お召し上がり下さい。(沸騰させてしまうと香りも飛んでしまいますし、煮詰まっておいしく無くなってしまいますので、お気を付けください。)


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